知っておきたい廃掃法(廃棄物処理実務)

排出事業者の責任

廃棄物処理法では、「廃棄物を発生させた事業者に廃棄物の処理責任がある」とされており、
自己処理が原則ですが、全ての排出事業者が自力で処理できるものではありません。
個々に処理施設を設置しても効率が悪いだけです。
そこで、排出者は廃棄物処理を専門業者へ委託できることが認められました。
処理委託はいわば排出者の権利でもありますが、守らなければならない義務も発生します。
それが委託基準です。

 

次の三つの義務が発生します。  

  1. 適切な許可を有する廃棄物処理業者に委託すること。        
     許可を持つ廃棄物処理業者に委託しないと廃棄物が適切に処理されたかどうかの    
     確認が出来ないため、排出者責任を全うすることが出来ない。
  2. 法定記載事項を満たした委託契約書を作成保存すること。    
     当初は処理業者に委託しただけで処理責任が終わったかのように見えました。
     それでは排出者の処理責任が全うされたことにならないため、委託契約書の作成
     と保存が義務付けられ、排出者に処理責任があることを明示することとなりました。
  3. 産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付と保存すること。    
     日々の廃棄物の流れを契約書だけでは把握しきれないため、廃棄物の実際の流れと処理

      責任者を関連付け、マニフェスト上に記録として残すものです。
      (後々の不法投棄等のトラブルが発生した場合の保険にもなります)
      つまりは、廃棄物を適正に処理したことの証明になります。
    
      ちなみに、平成3年には特別管理産業廃棄物に、平成10年には全ての産業廃棄物
      にマニフェストの交付が義務付けられております。
      と言うことは、マニフェストはありません、で済まされたのは17年前までと言う

      ことになります。 

  上記 1,2,3についての詳細を別ページに記載しています。

     1、についてはこちら

     2、についてはこちら

     3、についてはこちら。 

 

排出者責任はいつ消滅するのか?

「排出事業者は、廃棄物の発生から最終処分されるまでの間、適正な処理が行われるよう、必要な

 措置を講じるよう努めなければならない」と定められています。

「必要な措置」とは、マニフェストの交付と管理、委託先処理業者の処理状況の確認、処理を円滑

 に行うために必要な措置ということです。

 目の前から廃棄物がなくなったからと言って処理責任が無くなったということではありません。

 

 

意外と身近な廃棄物処理法

廃棄物処理法の目的を要約すると「廃棄物を適切に処理し、生活環境を清潔に保ち、公衆衛生の向上を図っていく」となっています。ゴミを発生させずに生活できる人はいません。また、廃棄物を発生させずに事業を継続できる企業もありません。このように日本国内で生活していく以上、事業を営んでいく以上、廃棄物処理法とは密接な関係があります。

ところが、以外と関心が薄いように思えます。一般家庭では週に1~2回のゴミ出し程度、企業は委託しているので勝手に処理してくれるから自分とはあまり関係ないという感覚の人が多いようです。安全で清潔な日本で暮らしていくためには、廃棄物処理法のルールを守ることは最低限の義務ではないでしょうか。

 

知らなかったでは済まされない罰則の恐ろしさ

廃棄物処理法の怖い点に刑罰の重さ法律違反が起こりやすいことが挙げられます。仮に、廃棄物処理業を無許可で営業した場合は「5年以下の懲役又は1000万以下の罰金」他の建設業や運送業を無許可で営業した場合「3年以下の懲役又は300万以下の罰金」に比べると一段と重いものになっています。廃棄物処理法は、特定の業界にかかってくる法律ではなく、一般的な社会活動によって発生するごくありふれたものを規制する法律であるため、罰則を知らないこと事態企業の命取りになりかねません。

たとえば、排出事業者がマニフェストを交付しないで廃棄物処理を委託した場合、マニフェストの交付義務を知らなかったとしてもりっぱな法律違反となり罰則が適用されます。

 

 

両罰規定  (これ、本当に恐ろしいです)

両罰規定とは、事業活動において従業員が廃棄物処理法違反をした場合、その従業員だけではなく雇用していた法人または使用者も罰金刑で処罰されるというものです。

最悪、従業員には(5年以下の懲役もしくは1000万以下の罰金またはこれの併科)、法人に対しては(3億円以下の罰金)。

従業員の行った行為に対して経営者、監督責任者が全く関与していなくても両罰規定に基づいて罰金刑に処せられるというものです。

たった一人の行為が会社の存続を揺るがすことになってしまうという恐ろしい規定ですので、廃棄物処理法に関する理解を今まで以上に深めることが重要ではないでしょうか。

 

以下、両罰規定の対象となる違反行為。

  • 無許可営業
  • 業の許可の不正取得
  • 事業範囲の無許可変更
  • 事業範囲の変更許可の不正取得
  • 廃棄物の不正輸出
  • 不法投棄
  • 不法焼却
  • 「廃棄物の不正輸出」「不法投棄」「不法焼却」の未遂
  • 措置命令違反
  • 委託基準違反
  • 廃棄物の不正輸出の未遂
  • 指定区域内での「土地の形質の変更」に関する計画変更命令又は措置命令に違反
  • マニフェストに関する違反
  • 帳簿の不備 

直接はあまり関係がない部分もあると思いますが、注目したいのは未遂の部分です。

実際に行為に至らなくても準備の段階で違反と見なされます。 

 朱書きの部分については意外と簡単に犯してしまう(すでに犯している)違反行為です。

本当はすでに許可取消の業者がいてもおかしくないのかもしれません。

  怖いです。

 

 

 

多量排出事業者とは?

前年度に産業廃棄物を1000t以上発生させた排出事業者をいいます。

多量排出事業者は、その年の「産業廃棄物処理計画」を都道府県知事に提出しなければなりません。また、前年度に提出した「産業廃棄物処理計画の実施状況」を6月30日まで同じく提出しなければなりません。

いろいろと面倒なことになっていますが、これらの報告を怠ると「20万以下の過料」が科されます。刑事罰ではありませんが、企業のイメージダウンは避けられないでしょう。