2、委託契約書の作成と保存

委託契約書

産業廃棄物処理委託契約は、通常の商取引のような任意の作成ではなく「必ず作成しなさい」と法律によって義務付けれているものです。これを怠った場合、法的に重いペナルティーが科せられるという重要な義務であることをまずは認識すべきと思います。 

 

なぜ委託契約書が必要なのか?

産業廃棄物を「完全に処理する」ことが委託契約の目的です。そして、委託者、受託者双方が確実に自己の責任を確認できるように委託契約書の作成とマニフェストの交付義務が科せられているわけです。

つまりは、産業廃棄物に携わる当事者は誰かを確定させ、収集運搬や中間処理の工程において誰が産業廃棄物の責任を担っているかをはっきりさせるためにあります。

仮にどこかで不法投棄が発生した場合、「当社はいっさい関係ありません、責任もありません」と強く主張できるようにするためにも、廃棄物処理法で求められている記載内容をすべて満たした委託契約書を作成し、保管しておくことが必要です。

 

委託契約書に絶対に書かなければいけないこと(ちょっと厳しいですが)

法定記載事項というのがあります。

  1、委託する廃棄物の種類数量

  2、委託契約書の有効期間

  3、処分料金

  4、委託する廃棄物のを適正に処理するための情報

     WDS(廃棄物データシート)を契約書に添付するのも一つの手段です。

        ・廃棄物の性状及び荷姿に関する事項。

        ・通常の保管状況での腐敗、揮発等の性状の変化に関する事項。

        ・他の廃棄物との混合によって生じる支障に関する事項。

        ・石綿含有物が含まれている場合はその旨

        ・廃棄物を取り扱う際に注意すべき事項

   5、4の情報に変更があった場合の情報伝達の方法に関する事項。

     情報伝達の方法を記載します。

   6、受託業務を終了したときの委託者への報告に関する事項。

     マニフェストの返送をもって処分終了する旨を記載する。

   7、委託契約解除時に処理されていない廃棄物の取扱に関する事項。

     契約解除後にまだ処理されていない廃棄物をどのように取り扱うかを記載する。

          

委託契約書に関する罰則

委託契約は、

  • 適切な許可を持った処理業者に委託すること。
  • 書面により行うこと。
  • 所定の事項が記載され、かつ委託先業者の許可証の写しなどが添付されていること。
  • 契約書とその添付書類は、契約終了後5年間保存しておくこと。

重要なポイントとして、法定事項の記載ミスがあります。記載すべき事項として廃棄物処理法で定められている以上、重大な過失として罰則の対象になってしまいます。

また、自動更新条項のある契約書の場合は、処理業者の許可証の更新がされているにも係わらず、古い許可証のままでいるとこれだけで委託基準違反になってしまいます。

処理業者の許可証の有効期間の確認も大切ということになります。

委託契約書の保存すべき期間は締結から5年間ではなく、終了から5年間です。間違わないようにしたいものです。

 

委託契約書の不備に関する罰則は、「3年以下の懲役若しくは300万以下の罰金又はこれの併科」と定められています。

 

うっかりミスが重大なミスに

会社を守るはずの委託契約書が、うっかりミスで未記入だったりするとそれが逆に会社を脅かすことになりかねません。

しっかり抑えておきたい項目は、委託する産業廃棄物の種類処理料金(委託料金)です。

万が一不法投棄に巻き込まれた場合、廃棄物の種類を明示していないということで厳しく追及され、不法投棄に関与していないかも問われます。(不法投棄に関与していなくても法定記載事項の未記入での罰則は免れません)

処理料金については非常に重要な部分として見られます。ここが空欄だったり著しく安価だったりすると委託者が不法投棄に積極的に関与していたとみなされる恐れがあります。

 

形式的に委託契約書を作成するのではなく、最低限、法定記載事項は確実に記入することが後々会社を守ると言うことになっていきます。 

 

冗談ではなく本当に廃掃法は怖いですよ。

 

 

建設廃棄物

建設工事では元請、下請、孫請など重層的に工事を行っているため、誰が出した廃棄物なのか分からなくなってしまいます。これでは「排出事業者が廃棄物の処理責任を負う」という廃棄物処理法の基本原則を徹底することが難しくなります。

そこで、2010年に法改正(施行2011年4月)が行われ、「建設廃棄物の排出事業者は元請を原則とする」と定められました。

 

ここからちょっとややこしくなります。

つまり、廃棄物処理の委託契約をする場合、排出事業者(元請)と処理業者間で処分の契約が必要です。

そして、元請業者が自ら処理業者に廃棄物を運搬する場合は収集運搬の許可はいりませんが、下請業者が自分たちの工事で出てきた廃棄物だから自分たちで処分場に運ぼうとしても元請業者との収集運搬の契約がなければ運搬できません。もちろん、下請け業者は収集運搬の許可が無ければできません。

下請業者が収集運搬の許可がなければ、自分たちの工事で出た廃棄物であっても運搬はできないことになります。

 

ここからもうちょっとややこしくなります。

ただし、特定の条件を満たす場合は下請業者でも収集運搬の許可が無くても排出事業者として運搬することができます。 (特別管理産業廃棄物は該当しません)

特定の条件とは?

  次のような工事で発生したもの。

  •  解体、新築、増築を除く建築工事で、請負代金が500万以下のもの。

すみません、解体、新築、増築以外の建築工事ってどんな工事ですか?

わたしはピンときません。(改築?減築?修繕?)???。

  • 引渡しされた建築物等の瑕疵(かし)の補修に関する工事で、請負代金相当額が500万以下のもの。

 

次の条件に当てはまる廃棄物。

  • 1回の運搬量が1立方メートル以下であることが判る状態で分別されているもの。
  • 工事現場が位置する都道府県にある施設に運搬されること。(隣接する都道府県と言うのもありますが、また別の手続きが必要になってきます)
  • 運搬の途中で保管しないこと。(積替え保管しないことの意味だと思います)

 

だんだんわけが判らなくなってきましたが、結局、下請業者が自ら運搬できるのは例外中の例外ということになり、本当は下請業者が自ら排出者となるようなことはあまりしてもらいたくないということではないかと私は解釈しています。

 

 

                                             2、については以上です。